「チロルチョコをもらったんだよ」

アルバイト先で一緒に働く方からチロルチョコを1個もらった話をしてくれる息子。

「でもさ、よくわからないけど、そのチョコさ、
たしか…バイトのエプロンのポケットに入れたと思うんだけど…忘れてきたと思うからさ、明日の朝起きたら取りに行ってくるよ!」

よくわからないけど…は、息子の口癖でもあり、
特有の特徴でもあって、結構振り回されるのですが(笑)

 

よく話を聞けば、

  • チョコは絶対にポケットにある。
  • ロッカーには鍵もかかっている。
  • 大きなホームセンターのため、店内に入るセキュリティがしっかりしている。(勤務時間以外に行くのはなるべく避けた方が良い)
  • 朝に行かなくてもその日の夕方からアルバイトがある。

これだけ条件が整っていれば、
私だったら「夕方のバイトの時でいいや」とあっさり切り替えれるのですが…

息子は
「明日の朝、絶対取りに行かなきゃダメでしょ!」
と言い張って聞きません笑い泣き笑い泣き

 

息子からのハプニングを聞くたびに、
「きっと、バイト先で浮いてる存在だろうなぁ」
「よくクビにならないなぁ」と思うほど、

一緒に働いてくださっている方へ感謝の気持ちが増すと同時に、
これ以上奇妙なことをして、周りに迷惑かけないであせるあせると、
親としての欲も見え隠れしたりします。

 

夕方で大丈夫なんだと納得してもらうまでに
電話で1時間、2時間…(笑)
同じ話を何度も聞いたり、説得したりが続きます。

発達障害があるがゆえに、
「社会に馴れてほしい」と願って送り出したアルバイトですが、

そんな思いと裏腹に、行けば行くほど、
この世の中はわからないことだらけで、不安で、
話を聞いて欲しくて、確かめたくて…が、

親でも想像出来ないほど「強いこだわり」という形になって息子に表れてきています。

アルバイトを始めて、もうすぐ1年になります。

ややもすると、

「自分は何も間違っていないのにどうして?」

と言わんばかりの主張をする息子に、今、親として出来ることは、

「自分が持つ障害特有の行動や言動が
相手に分かってもらえなかったり、伝わらない時の方が
たくさんあるんだよ」

と根気強く伝えていくことだと思っています。

 

親でもしんどいと思うことが、社会に簡単に受け入れられるなんて夢の夢です。

広い社会に「どうして分かってくれないの!」
と怒ったり、騒いだりするよりも、

20歳を超えた息子に少しずつ、
自分の持つ障害について伝えていく時が来たと思っていますウインク

 

理解の少ない中で、自分を保ち続けるのは大変なこと。
 

その中で息子が自信をなくすことなく、
前を向いて生きていける至難の技をやってのけられるように
後ろから支えるのが親ってもんだ!と自分にも発破をかけています(笑)

どうしてもチョコを取りに行かなければならない
と言い続ける息子と長々と話をした後に、

「そういうところが、アスペルガーなんだよ音譜

と言ってみたら、

「せっかくもらったチョコを、粗末にするなんてダメじゃん!
もらった人に悪いでしょ?
この気持ちはアスペルガーじゃないよね?」

と。

確かに優しい気持ちともいうかもしれない…

なら、なぜ、忘れてきた!(笑)

敵は手強い様相です笑い泣き笑い泣き笑い泣きラブラブ