今日の講演先の小学校へ向かう電車が、強風と大雨のため途中で止まってしまい、運転再開の見込みなく、途中の駅で降りタクシーで向かうことになりました。

ローカル線の駅には、タクシー乗り場はなく、私と同じように先を急ぐ方が皆、タクシーを呼んでいて、小さな町のタクシー会社の電話口は大忙しの様子でした。

「長岡市立○○小学校に14時までに向かいたい」ことを伝えると、「あー、山を越えて行かなきゃいけないですね、なるべく早めにお迎えにいきますよ~」と、ありがたいお返事。

 

へぇ~、山を越えるんだ…そんな道があるんだ…。山なんか越えるかな…?(←ここで気がつけばよかった)

 

間もなくタクシーが到着し、「横山さん?○○小学校ですね」と、運転手さんが声をかけてくださり、「はい!よろしくお願いいたします!」と、雨の中を足早に乗り込み、山道へ。

 

検索では約65kmくらいの道のりがあったので、1時間くらいで到着出来れば、なんとか講演に間に合う!と、プロの運転手さんにお任せして、ローカルなお話をしながら1時間過ぎたころ…

 

「もうすぐですよ。もう、ここは十日町ですからね~♪」と運転手さん。

 

ん?

 

まて、まて、まて、…

 

いくら私が方向音痴で地図が読めない人間でも、新潟県の十日町と長岡市の場所がちょっと違うことくらいはわかります(((^^;)

私が行きたいのは、たしかに十日町小学校だけど、十日町に行きたいんじゃなくて、長岡市の中にある十日町小学校へ行きたいのだ?????

 

「あの…」

 

「はい?」←笑顔

 

「私は長岡市立十日町小学校へ行きたいのですが…」

 

急ブレーキ?

 

「はぁ~?!だって、事務所から十日町小学校って聞いたよ!」←表情が一転…

 

「はい、どうやら、新潟県には十日町小学校が2つあるみたいです…」と、初めて知った事実と共に、検索画面を見ていただきました。

料金は15,000円を超え、現地点は長岡市立十日町小学校まで、まだ47kmもある地点。講演開始まであと50分のカウントダウンが始まっています。

 

「いやー、十日町って聞いたから、てっきり十日町の中の、十日町小学校かと思ったよ。いやー、だって、そう聞いたからさ、だって、十日町でしょ」

と、何度叫んでも変わらない事実を嘆く運転手さん。

 

今まで軽やかだった車内の空気が重た~くなり、私が悪者になりそうな気配も感じましたが、確かに「長岡市立」と伝えた自信があったので、

「あの時、電車を降りた方たくさんいらしたから大変だったですね。お迎えいただいた時に、私も長岡市立ともう一度言えばよかったですね。これから、長岡市立十日町小学校へ向かいたいので、よろしくお願いいたします。
と、事実としなければならないことだけをお伝えし、(ここで降ろされても困るので、)平和な空気を保つように終始笑顔を貫きました。(内心は…内緒です(笑))

 

しばらく無言が続く車内。

 


「いや、僕のミスです!申し訳ありません」

と言ってくださり、メーターを止め、高速道路料金を自腹で払ってくださり、途中、ナビが頼りの運転手さんのスマホの電池が切れ、私のスマホを使い(笑)、車内で学校との連絡を取りつつ急ぎ、そして、無事到着して即講演という過密な1日を過ごしました。

 

言った、言わない、聞いた、聞かないはよくあるトラブルです。

 

過ぎてしまったことの粗捜しをされたり、トゲトゲした心や言葉を向けられて、いい気持ちはしませんが、まだ修正の余地があり、事実に自信があるならば、同じエネルギーで向かわずに柔らかに対応したほうが、トゲは折れやすく和やかに事が運びます。

 

もしかしたら、電話口の女性の思い込みだったかもしれない、

もしかしたら、運転手さんの思い込みだったかもしれない、

そして、私がしっかり新潟県に十日町小学校が2つあると知って、地理に詳しかったらよかったのかもしれない。

今回は様々な悪条件が重なって、願わない方向に進んでしまいましたが、そんな時でさえも、心を寄せることで突破できることや、お互いに学ぶことがあると思うのです。

 

そして、優しい気持ちが残ります?

 

講演が終わって、タクシー会社へ無事講演が出来たお礼の電話を入れました。
「十日町小学校の横山です。」と(笑)

 

いろんな方に支えられながら、今の自分があることへの感謝を忘れないようにしたいと思います。