世の中には「すぐわかるもの」と「すぐにはわからないもの」の二種類がある。すぐわかるものは、一度通りすぎればいい。けれど、すぐにはわからないものは、何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわりじわりとわかりだし、「別もの」に変わっていく。そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片だったことに気づく。

森下典子『日々是好日』より抜粋

親となり、子と向き合いながら、亡き親を思う。親の偉大な愛を知った自分と重ねながら、父親が好きだった言葉『日々是好日』と同じタイトルの本を手にしています。