「いきりもち」を持って帰省していた息子が、新学期に向けて東京へ戻っていきました。

自分もまたすぐに行く予定があるのに、何度見送ってもなぜか慣れず…どことなく「寂しい」

そして、絶えない心配…。


弾けるような笑い声、歌声、ねえねえ…と呼ぶ声。

軽い足音、ドアを閉める音、賑やかなゲームの音。

テレビ番組も、洗濯の量も、1回にとぐお米の量までも…息子が帰って来ると、息子を中心に家の中の歯車が急回転をはじめます。


子どもが家にいるだけで変わるものってたくさんありますね。


今年の新潟の冬は、全く雪がなく足元が「軽やか」です。


ちょうど息子と同じ21歳の時…

就職1年目に帰省したお正月はたくさん雪がありました。

また東京に戻ろうとする私の「軽やかな靴」を手に持ち、バス停まで私に長靴を履かせて見送ってくれた母の気持ちも知らず、明日から仕事に向かう重たく甘えた気持ちを母にぶつけながら、無言で母の手にあった「軽やかな靴」に履き替えた自分を思い出しました。

あの時の母の気持ちは、どんなだっただろう?

親になって初めてわかるものの中に、自分を育ててくれた親への気持ちがあります。

「わかる」というより、

「初めて知る」とか、「今になってありがたいと思う」がぴったりです。


「親になればわかる…親の心子知らず」


と言いながら、柔らかな笑顔で未熟な私の気持ちを黙って受け入れてくれた母の思いに触れたような気がして…。

同じように息子に返していこうと思いながら背中を見送りました。