前回までのお話はこちら・・

テスト20点が100点になるまで(その子にあった学習スタイルを見つける)~その1~

テスト20点が100点になるまで(その子にあった学習スタイルを見つける)~その2~

やっと本題に入れた野球少年。
やれやれ、さあ!と思いきや、彼の右手の中のシャーペンが、
ユラユラ・クルッ!ユラユラ・クルッ!時に、ユ~ラ、ユ~ラ・クルッ!!
止まることなく回り始めるのです(笑)

英文の音読の時も、問題を考えている時も・・シャーペンを手にした瞬間に回り始め、
それを置くまでずっと同じリズムで続きます。

そして、問題を解き終えると、消しゴムに消しカスをくっつけて集め、
右手に持ちかえ、教室隅にあるごみ箱目がけてシュート!!!スポッ!(笑)

見事に消しカスは入るのですが、
この一連の流れは、一緒に勉強するものにとって大変気になる動き。
できることならやめてほしいと思い、制止をしてみました。
すると、途端に落ち着きがなくなり、身体が動き始めるのです。

ペン回しの心理の中に、「ペンを回すことで気分が落ち着き、高い集中力を得る」があります。

ペン回し&消しカスシュートもその流れの一部だとすると・・

彼は野球が大好きで、幼いころから身体を動かしながら物事を覚えてきました。
しかし、「学習」といえば、静かに落ち着いてするもの。

もしかしたら、今まで、このギャップが苦しくて効率が悪くなっていただけかもしれない。

そこで、この子の「学習スタイル」を調べてみました。

人にはそれぞれ「学習スタイル」がありまして、
大きく分けると「聴覚系」「言語感覚系」「触覚系」「視覚系」の4つのタイプに分かれます。

これは、簡単なテストで調べることができるのですが、この野球少年の結果は、
身体を動かしながら学ぶ「触覚系」と、人と話し合う中で学びを深める「言語感覚系」が融合したものが出たのです。

この子にとっては、ペン回し&消しカスシュートの動きこそ思考と集中力に欠かせない仕草で、話しながら学びたいから、いつも私の横にぴったりくっついているのかもしれない(笑)・・✨

絶好のチャンス到来!

この日から、ユラユラ・クルッ!、ゴミ箱目がけて消しカスシュート!!!スポッ!の流れの中で、フリガナをふらずに英文をひたすら読むだけのレッスンが始まりました。

フリガナを全て消させた時には激しく抵抗されましたが、「カタカナ教室じゃないから」と、
心を鬼にして(笑)ここだけは譲らず、あとは教える側の私が彼の一連の動きを受け入れるのみ。

1か月もすると、英文だけで、しかも、とてもスラスラと読めるようになり、
その後は、毎回彼の学習スタイルを守りながらそばに座り一緒に勉強するだけ。

読めるとわかる、わかると書ける、書けるとできる、できるとおもしろい!
結果として、この3回シリーズ~その1~の冒頭のように、
「先生、テスト何点だったと思う?」「驚くなよ!100点!!」になったというお話。

その時の彼の笑顔は、私の宝物のひとつとなりました♡

テスト20点が100点になるまで(その子にあった学習スタイルを見つける)~おまけ:僕が家で勉強しない理由~

 

毎日、子どもたちと過ごす中で、感じることのひとつに、
「子どもの数だけ、接し方がある。」があります。

その子に合った学習スタイルを探してみませんか?