発達障害を持つわが子が社会に向かうということ

発達障害を持つわが子が社会に向かうことが、予想を越えて、これほどまでに難しいことなのか…と思い知らされています。

一社会人として、就職を試みて果敢に面接に向かうも断られ…、面接を通過して、意気揚々と毎日仕事に通うも1ヶ月で「クビ」を宣告されること2回…(((^^;)

社会の多様な動きのひとつひとつが息子にとって戸惑いとなり、身体の動きが止まってしまったり、丁寧にご指導してくださる方の思いに応えているつもりが、全く見当違いな動きとなり、相手に不快な思いをさせてしまうようです。

緊張のあまり表情が強ばり慣れるまでに人一倍時間がかかり、
やっと慣れて、さあ、これから!と息子の良さが出る前に「コミュニケーションがとれない」と言われてしまいます。

社会に順応できない部分を、特性だから仕方ない…と思いつつも、息子が社会から「NO!」と断られるたびに、

「どうしてそんなこともできない?」
「どうしてそんなこともわからない?」と、ここ最近は息子を強い口調で責めることが多くなってしまっていました。

息子に寄り添うことを忘れ、親として踏み入ることができない無力さを痛感し、ため息も増え…同時に「自分は母親として何も伝えてこなかったのではないか?」と自分を責めることもありました。

一方、息子は、
どれだけ仕事を断られようが、大好きな歌を歌い、大好きな踊りを踊り、変わらない毎日を過ごしています。(この姿が時に、私の強い口調を助長させていたのですが・・笑)

ある日、クビになった会社の車を見かけた時に、
「あ、あの車は○○さんが乗っているんだよ」
「あ、この車は○○さん」と、一緒に仕事をさせていただいた時のことを嬉しそうに懐かしそうに話してくれたのです。

私だったら悔しくて思い出したくもないと思うかもしれないのに…
もしかすると、心が折れることすら知らないのかな?と思うほど。

いけない、いけない!
この明るさと人を真っすぐ信じるきれいな心、息子の一番いいところをを潰すわけにはいかない。

広い視野を失いかけている自分に気づいた瞬間でした。

息子は今、次の仕事に向けてまた一歩を踏み出しています。
また、1ヶ月で断られるかも…と不安が過ります。

それでも、親として願うことは、
どうかわが子にも持ち前の良さが十分発揮できる仕事とのご縁があり、働く喜びと尊さを味わうことができますようにということ。

発達障害を持つわが子と親子で味わう厳しい社会の現実の中で、時に、
「ゆっくり発達し、ゆっくり良さを発揮する人が輝ける社会は、まだまだ絵に描いた餅なのか?」と、落胆や悲しみに似た憤りすら覚える瞬間を織り交ぜながら、それでも「前を向く強さ」を教えてもらっているような気がします。

横山 人美

Keep Smiling代表。
パーソナリティーコンサルタント。講演・セミナー講師。各種メディア執筆やテレビ出演なども。発達障害との前向きなかかわり方や、子育てに応用できる心理学をお伝えしています