長い間、子どもたちと向き合い続ける中で、初めて見る子どもの「無表情」

悲しい、寂しい、つらい、苦しい
どの言葉にも当てはまらない表情をする子を目の前にして、

かける言葉を失う自分がいました。

この子にも笑顔だった時は必ずあったはず。

この子の笑顔はいつから消えてしまったのだろう。

この子の笑顔ににたどり着く入り口はどこだろう。

そんな言葉を心の中で繰り返しながら、
無言のまま、ふたりで向き合って昼食をとったり、勉強をしたり…。

「好き嫌いないの?」

無表情で小さく頷く子に、

「えらいね~✨きちんと食事ができるのは、素晴らしいことだよ!」

いつも通りの私の声を響かせてみました。

何の反応もありません。

それでいいんです。

話を聴いているのか、いないのか、
無言のまま、整った字を書き、勉強を進め、問題を全部解き終えたので、

「すごーい!やったね!」

手を叩いて喜んだのは私だけ。

照れくさそうな笑顔も、嬉しそうな笑顔も返ってきません。

それでいいんです。

目の前で悩み苦しんでいる子に寄り添うとは、その子にとって心地よい言葉や都合のいいことばかりを差し出すことではない。

たくさん折れ曲がって、難しくなってしまった子どもの心は、傷物でも腫れ物でもない。

お互い素のままで向き合って、逃げないで…

時に一番触られたくない部分までも踏み込んで認め、戒め、時に叱り、それでもあなたを諦めないよ、大切だよと伝え続けること。

出会った子どもたちとそうしてきたように、なにも飾らず、私らしく向き合っていこう。

この子が笑顔を取り戻すまでの出会いが始まりました。